注文先を考える

現代刀の世界では絵や焼き物の世界と違い、各々の刀鍛冶の作品を扱う専属の刀剣商は殆ど居ません。ですから、刀剣店の店先に気に入った現代刀が無い場合は、電話や手紙で刀鍛冶に連絡を取り、注文の話をするのが普通です。

でもその前に、ちょっと刀の勉強をしたり、刀鍛冶に付いても少し調べておきましょう。焼き物には有田や瀬戸・備前と云ったように全く異なった様式の焼き物が有ります。同じように、刀にも色々な伝法の物が有ります。刀鍛冶にはそれぞれ得意な伝法が有りますから、注文される前に御自分の好きな刀はどう云った刀なのか、そして、その刀を誰に注文すれば良いか、ちょっと調べる必要が有ると思います。刀は安い買い物では有りませんから、慌てて注文するより、どの刀鍛冶に作ってもらうのが良いかじっくり考える事を私はお勧めいたします。
例えば私の場合、相州伝の互の目・皆焼と山城伝の直ぐ刃が得意ですが、備前伝の丁字乱れの刀は旨く作れません。
でも一般の人は、どんな刀鍛冶が何処でどういった刀を作っているか、なかなか分かりにくいですよね。そこで、それを調べるにはどうすればよいか、他の頁に参考になる文章が有りますから読んでみて下さい。

刀鍛冶の住所などを調べる

また、個々の刀鍛冶のファンの方もおいでですね。そう云った場合は、基本的には各々その刀鍛冶の得意な刀を注文するのが良いと思います。陶磁器に例えるならば、有田焼の窯元に備前焼きの作品を注文してもちょっと困り物ですからね。その辺は当の刀鍛冶と相談してみて下さい。

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